〜元請けから友達職人まで、コスト構造を徹底解説〜内装工事を依頼する際、「どこの業者に頼むか」は仕上がりだけでなく、費用に直結する最重要ポイントです。同じ内容の工事でも、「元請け会社」に頼むのか、それとも「直接職人」に依頼するのかで、見積額が2〜3倍変わることも珍しくありません。この記事では、内装工事業界における「元請け〜友人職人」までの発注レベルごとの特徴、コスト構造、メリット・デメリットをわかりやすく解説し、あなたに最適な依頼先の選び方を指南します。■ 内装工事業界の“多重下請け”構造とは?内装工事の業界は、建設業界と同様に「多重構造」になっています。つまり、一つの工事でも複数の業者が関与し、上から下へと仕事が回されていく仕組みです。例えば:元請け(総合業者)一次下請け(専門業者)二次下請け(施工職人)職人個人知り合い・友人レベルの職人発注が上流になればなるほど、中間マージン(手数料・管理費)が積み重なり、価格は高くなります。■ 各発注レベルごとの特徴と価格感① 【元請け業者(総合内装会社)】価格目安:高め(坪単価20〜40万円)設計・デザイン・施工管理まで一括対応窓口は一つで、手間がかからない各分野の下請け業者に指示を出す立場メリット✔ 全体をまとめてくれるので、初心者向き✔ デザイン性や品質に安心感ありデメリット✖ 中間マージンが高い(20〜40%程度)✖ 比較的高価格になりがち② 【一次下請け(設備・内装専門業者)】価格目安:中〜やや高(坪単価15〜30万円)元請けから直接仕事を請けている業者実務に長けており、コスパ重視なら狙い目設備、電気、大工などの専門分野ごとに分かれるメリット✔ 実務能力が高く、施工品質も安定✔ 元請けよりは安くなることが多いデメリット✖ 自分で複数業者を管理する必要あり✖ デザイン提案は期待しづらい③ 【二次下請け(施工職人グループ)】価格目安:中〜やや安(坪単価10〜20万円)一次下請けからさらに依頼される現場の実働部隊職人チームや個人事業主が多いメリット✔ 価格は安めで、技術力もあることが多い✔ 交渉次第で柔軟な対応も可能デメリット✖ 工事全体の管理は自分で行う必要あり✖ 設計やレイアウト提案はほぼない④ 【職人個人】価格目安:安い(坪単価5〜15万円)知り合いの大工や電気職人など、個人レベルの施工者経験豊富で誠実な人も多いメリット✔ かなりリーズナブルな価格で対応可能✔ 直接のやりとりなので融通が利きやすいデメリット✖ 工事全体の管理・手配は全て自分持ち✖ 仕上がりや品質は「人によりけり」⑤ 【友人や知人の職人】価格目安:最安〜実費レベルもあり「昔からの友人」「知り合いの紹介」などで頼むケース仲介マージンがほぼないため、最も安いメリット✔ 材料費+実費程度で済むことも✔ 気心の知れた関係で話が早いデメリット✖ 仕事としての責任が曖昧になることも✖ トラブルがあったときに関係が壊れるリスク■ 具体的な価格の違い(同じ内容でもこれだけ変わる)例えば、20坪の飲食店内装(厨房・空調・照明含む)を例にすると:発注先価格目安(総額)元請け会社600〜800万円一次下請け500〜600万円二次下請け400〜500万円職人個人300〜400万円友人職人200〜300万円(実費レベル)※工事内容やエリアによって変動しますが、2〜3倍の差が出ることも現実的です。■ 「安ければいい」というものではない当然ながら、価格が安ければ安いほど良い、というものではありません。元請け:安心・一括管理下請け:コスパ良好・実務特化職人:人柄と技術次第というように、それぞれのレベルに役割と得意分野があるため、自分の目的や予算、手間のかけ方次第で選び方が変わります。■ 失敗しないためのポイント複数のレベルで相見積もりを取る → 元請けと職人個人で比較すると費用感が明確に責任の所在を明確にする → 個人職人に頼む場合も、書面で約束事を交わすことトータルコーディネートが必要なら、安易な分離発注はNG → 各業者がバラバラに動くと、統一感が損なわれることも■ まとめ:どのレベルに依頼するかで「価格」も「安心感」も変わる内装工事において、発注レベルによる価格差は非常に大きく、同じ工事でも100万円単位で変わってきます。手間をかけたくない人は元請けに一括依頼コスパ重視なら一次下請けに直接依頼人脈と時間に余裕があれば職人個人も検討大切なのは、価格・品質・管理体制のバランスをしっかり考え、自分に合ったレベルで依頼することです。内装工事は一度きりの大きな投資。しっかり比較して、納得のいく依頼先を選びましょう。